ネット依存外来では、まず患者一人ひとりの状況を丁寧にヒアリングし、診断を行います。医師やカウンセラーとの面談を通して、どの程度の依存状態にあるのか、どのような場面や感情が依存を引き起こすのかを探っていきます。患者が安心して自分の状況を話せるよう、リラックスした環境が整えられているのが特徴です。初期段階での信頼関係の構築が、その後の治療プロセスを円滑に進めるために欠かせません。

治療計画が決まると、具体的なアプローチがスタートします。ネット依存症の治療ではネットの利用時間を段階的に減らしたり、代替となる趣味や活動を見つけたりと、依存度の軽減を目指した行動療法が用いられることが多いです。また、認知行動療法を取り入れ、どのような思考パターンが依存を助長しているか患者自身が理解し、変えていくサポートも行います。必要に応じて家族も治療に参加し、患者を支える環境づくりが行われるのです。

定期的に通院し、進捗の確認や必要に応じた治療方針の見直しを行います。治療の過程では時に挫折を経験することもありますが、そこから学びを得て再び立ち上がれるよう、医師やカウンセラーがサポートします。治療が長期になる場合でも、少しずつ変化を感じられると患者のモチベーションも上がっていくものです。ネット依存治療の現場では、患者がネットに依存しない日常生活を取り戻し、より良い未来を築くためのサポートが日々行われています。